外観



外観は、「工場らしくない工場」をテーマに計画しました。
木目調の外壁材を斜めに構成したファサードに、コーポレートカラーであるライトグリーンを水平ラインとして取り入れ、企業ブランドを建築として表現しています。
また金属サイディングをランダムに貼り分けることで、時間帯や天候によって異なる表情を生み出し、単調になりがちな工場建築に豊かな変化を与えています。
周辺は農地や林地に囲まれた穏やかな環境であるため、アースカラーを基調とし、自然と調和する外観構成としました。
さらに2階にはテラスを設け、建築に立体的なリズムと開放性を与えています。
温熱環境と省エネルギー

前工場では、日射や外気の影響により温度環境の安定が課題となっていました。
本計画では、窓を必要最小限に抑え、外壁には断熱性・耐火性に優れたサンドイッチパネルを採用しています。
また屋根全面に太陽光パネルを設置し、発電と同時に日射負荷の軽減にも寄与しています。
これにより工場内の温熱環境を安定させ、精密加工に必要な環境性能を確保しています。

カフェテリア



カフェテリアは、単なる休憩スペースではなく、多目的に活用できるコミュニケーション空間として計画しました。
食事だけでなく、簡単な打合せやミーティング、来客対応などにも対応できる柔軟な空間構成としています。
大きな窓から自然光を取り込み、外部環境とのつながりを感じられることで、従業員のリフレッシュと発想の転換を促します。
木質天井と素材感のある仕上げにより、落ち着きと居心地の良さを両立した空間としました。
テラスデッキ


2階に設けたテラスデッキは、従業員の休憩やコミュニケーションの場として計画されています。
ハンモックや軽食利用など、日常的なリフレッシュに加え、天候の良い日は交流の場としても機能します。
また地域住民との交流イベントや災害時の一時避難スペースとしても活用できるよう計画し、企業と地域をつなぐ役割も担っています。
さらに庇による日射制御により、建物全体の環境負荷低減にも寄与しています。
オフィス



オフィスは、働く人が心地よく過ごせる環境を重視して計画しました。
ナチュラルな木目とコーポレートカラーを基調とし、落ち着きと温かみのある空間構成としています。
将来的な働き方の変化にも対応できるよう、フリーアドレスへの移行も視野に入れた柔軟なレイアウトとしています。
大きな開口部から自然光を取り込み、外部環境とのつながりを感じられる執務空間としました。
応接室・役員室・会議室

▲応接室

▲役員室

▲会議室
会議室は、現場と経営をつなぐ重要な空間として計画しています。
工場の様子を視覚的に把握できる位置に配置することで、現場との距離を縮め、迅速な意思決定を可能にしています。
また床仕上げを用途ごとに変えることで、空間にリズムと機能性を持たせています。
更衣室・トイレ


更衣室およびトイレは、働く環境の質を高める重要な要素として計画しました。
男女それぞれの使いやすさに配慮し、快適性と清潔感を重視した空間構成としています。
工場建築において見落とされがちな部分ですが、採用力や定着率にも影響する重要な空間として設計しています。
書庫・倉庫


書庫および倉庫は、5S改善の観点から計画しています。
視認性の高い収納計画とすることで、必要な書類や備品をすぐに取り出せる効率的な運用を実現しています。
整理・整頓・清掃・清潔・しつけの基本を空間として支える構成としています。
工場



工場床には厚さ600mmの土間コンクリートを採用し、工作機械の振動を抑制しています。
これにより機械同士の干渉を防ぎ、高精度加工に適した安定した環境を確保しています。
また将来的な設備更新にも対応できる構造とし、長期的な生産性維持を可能にしています。
建築で解決したことと建築家の考え方
本計画では、建築を通じて企業課題の解決を目指しました。
老朽化した施設の更新だけでなく、以下の課題を包括的に改善しています。
・温熱環境の安定化
・生産動線の最適化
・作業スペース不足の解消
・福利厚生空間の充実
・働き方改革への対応
・脱炭素および省エネルギー対応
・防災および事業継続計画への配慮
建築は単なる建物ではなく、企業の生産性やブランド価値を支える経営資源です。
私たちはこれからも、事業者様の課題に寄り添いながら、建築を通じてより良い未来をつくる設計を続けてまいります。
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