デザインコンセプト
建築構造の中で造形自由度が高い鉄筋コンクリート造を外周部に採用し、さらに無垢の杉板を型枠に使用したことで、味わい深いインパクトのあるファサードをもたせることができました。また当該地は住宅や企業が比較的多いことや敷地の二方向が道路に面していることからも、プライバシー性や防犯性を高める必要がありましたが、鉄筋コンクリート造とすることで機能的にもそれらの課題を全てクリアしています。また道路側の二面は閉じた外観としているため通常であれば採光や換気が十分に確保できませんが、建物の中央に中庭を設けることで室内に十二分に光が差込む居心地の良い空間になっています。外部仕上をコンクリートによるグレーと木目調ルーバーによるダークブラウンの2色に絞ることで、クールで都会的な表情を演出する一方、インテリアにはナチュラルブラウンの無垢の床材を多用することで、落ち着きのある過ごしやすい雰囲気をもった空間を目指しました。
無垢の杉板材による贅沢なコンクリート打放しの外壁
贅沢にも無垢の杉板材をコンクリート打放しの型枠に使用することで杉板の木目の奥深い表情がコンクリート面に映し出されるため、とてもインパクトのあるファサードにすることができました。
窓の外側にダークブラウンのアルミルーバーを配置することで、意匠的にもアクセントになっています。また外部からのプライバシーの保護や防犯性の向上の効果も期待できます。外部から見た場合杉板コンクリート打放しとルーバーしか見えない構造のため、周囲の方からは家というよりミュージアムに間違われます。
外部から見た場合杉板コンクリート打放しとルーバーしか見えない構造のため、周囲の方からは家というよりミュージアムに間違われます。
贅沢にも杉板の無垢材を型枠に使用してできるコンクリート打ちっ放しの表情は、奥深い趣きがにじみ出ています。
コンクリート打ち放しならではの色調の濃淡がコンクリートらしさを表現しています。
コンクリート打ち放しを工事する際のフレッシュコンクリートの柔らかさを表す数値である「スランプ値」は15cmという硬さで施工するように徹底しています。
施工難易度は高くなりますが、コンクリートの強度と美しさを保つことができますので、ここが高級住宅を創る上でのひとつのこだわりポイントとなります!
ダークブラウンを基調にした明るくスタイリッシュなエントランス
エントランスホールは北側になるため直接日光が差し込みません。明るさを補うために純白の塗り壁を採用し反射光を利用して空間を演出しています。
エントランスホールの天井材はコンクリート打ちっ放しの型枠で使用した杉板と同じ種類の木材を自然塗料塗装した上で使用しています。
エントランスドアの木目にも統一して使用していますので、建物全体において統一感をもたらすことができます。
アッパーライトによる幻想的な夜景
幻想的な夜景です。スポットライトにより杉板コンクリート打放し面の表情がさらに演出できています。
中庭のプライバシーを確保するために設けた木目調のルーバーが、夜景においてもひとつのデザイン上のアクセントになっています。
建物をどの方角から眺めても、美しいコンクリート打ちっ放しの外壁と木目調のルーバーが目を引きます!
オーナーだけが唯一見ることのできる中庭からの青空
リビングに隣接した中庭から青空を覗くことができます。御施主様だけが見ることの出来る「建物により切り取られた青空」です。
建物の中央に中庭を設けることで室内にプライベートな空間、換気や採光を十二分に確保することができました。
グレーをメインカラーとした落ち着きのあるインテリア
広いエントランスと十二分に容量を確保したクローク収納です。靴のままクロークに入ることができますのでとても便利に利用できます。
隣接して設けた中庭からの日光が入る気持ちの良いリビングです。インテリアでは外部の印象から一転してあたたかみを感じる色合いをもつ床材を採用したためとても明るく感じます。
可能な限り装飾をやめ、全ての要素をシンプルにデザインしています。唯一のアクセントはテレビ台上部の間接照明です。
高級感を感じるダークブラウンで統一したオーダーメイドキッチンがとても映えるダイニングキッチンです。生活観を感じてしまう炊飯器等の家電を一切隠すことの出来る特注の可能式扉により一枚の壁に見えるカップ収納も存在感があります。
広々とした独立のリビングは中庭に面しているため、日光を効果的に取り入れることができる間取りになっています。
中庭や全面サッシにより、室内に十分に日光が差し込むインテリアです!
各室を遮りながらも、お互いの気配をさり気なく感じることができる絶妙な距離感を保つことができるガラス窓を採用しました!
アクセント壁「ダークブルー」が映えるベッドルーム
ベッドルームには落ち着いた雰囲気を出すためにダークブルーの壁紙をアクセントとして使用しました。東側に設けた地窓から間接的に朝日が入るため清々しい朝を迎えることができます。
ナチュラルブラウンの木目により居心地の良さを感じる個室
個室のドアはミディアムブラウンの扉でまとめました。それにより長時間いても居心地の良い空間とすることができました。
愛猫が自由に運動や遊ぶことができるための「可動棚」もスタイリッシュに設置しました!
トイレにも間接照明を配置し日々の暮らしにちょっとした喜びをもたらす
トイレ内の壁はメンテナンスしやすくかつ消臭効果と調湿機能を持たせるためにエコカラット貼りとしました。またリビングのエアコンからの送風もあるため夏は涼しく、冬は暖かいとても快適なトイレです。
中庭を杉板コンクリート打放しで囲ったミュージアムのような平屋 設計監理の関連記事
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▶ 静岡県建築士事務所協会主催「Shizuoka Design Award建築賞2023」奨励賞に選出されました。